心のうた 日本抒情歌

株式会社 野ばら社
1995年10月20日発行 A5判・320頁 本体1,000円+税

















夕やけ小やけの 赤とんぼ
負われて見たのは いつの日か

おそらく日本中の誰ひとり、知らない人はいない唄。

赤とんぼを見かけ、畑仕事をした日を思い出し、
往き来のなくなった子守のねえやを思う。

4番までの歌詞すべて合わせても、わずか87文字。
100文字にも満たないその歌詞は、
詞であると同時に、詩であったのだ。


誰にでも、これまでに過ごしてきた日々があり、
その時間の分だけ積み重ね、背負ってきた思いがある。

人それぞれにその中身は違っても、
この本に収録された228曲のどれか一曲は必ず、
その日々を思い起こさせ、
赦し、慰めてくれるのではないか。

古くから歌い継がれてきた歌には、
そういう詞藻、詩想がある。

歌詞のページの最後に、その唄の来歴や小さな出来事など、
ほんの短いエピソードが載っていることもあって、
それらもまた歴史のほんのひとかけらとして、愉しい。

童謡、唱歌、フォークソングなど、
楽譜まで載っている歌集だが、これは紛うことなく
詩集でもある。