歩くはやさで

小さい書房
文 松本巌 / 絵 堺直子
2015年2月24日発行 A5判・64頁 本体1,400円+税

















感想文としてはあまり正しくはないのだろうが、
あとがきに強く共感した。

カーナビに頼りすぎて、道に迷うことがなくなり、
道を覚えることもなくなり、
道中で出会う風景や寄り道の楽しみがない。

飲食店に行くのに、参考にするクチコミサイトが
なんでも書きすぎていて、美味しさもサービスも
予想どおりになってしまい、驚きはない。

ハイブリッドカーは排気もクリーンで稼働音も静か、
静かすぎて歩行者が車の接近に気付かず
事故になることを怖れ、騒音を出す機能を付けた。

技術は進み、情報が増え、便利なことが増えた。

なんのために?

使う人間の側が便利さに慣れすぎて、楽をして、
自分自身の神経を鈍らせてしまったら、
道具に振り回されることになる。
そんなことでは、なんのために道具を改良したのか。

便利なことも、情報が充実することも、
否定する必要はない。
ただ自分自身を研ぎ澄まして、視野を広げて
鈍ることなく変わっていけばいい。

帯に書かれた、
「本当は奪われているのかもしれない、」
の一文が背筋を伸ばしてくれる、気がする。