絵本ジョン・レノンセンス 新版

晶文社
ジョン・レノン 著
片岡義男・加藤直 訳
2013年11月20日初版発行 四六判・88頁 本体1,600円+税

















Imagine」が反戦・平和・人類愛思想の
象徴のように取り扱われるようになって長く、
ジョン・レノン自身も聖人のように崇拝される傾向がある。
反対に、ロックやってた人間が聖人なものか、
というひともいる。

どちらが正しくてもいいし、どちらも側面のひとつには
違いないと思うのだが、個人的にはこの絵本を描いた
ジョン・レノンはしっくりくる。
正確には散文とイラストが、しっくりくる。

本書の内容自体は、他に形容しようがないので
そう書くしかないのだが、「意味がわからない」。
冒頭に書いたImagineぽさを期待したら
肩すかしを食らい、ストレスが溜まるかもしれない。

訳者の片岡義男氏が巻末の解説に書いているが、
そもそも単語の音を変形してそのまま綴りにする、
特殊な言葉を書き連ねていて、意味が取りづらいそうだ。

それはそれとして、このエキセントリックさが
ジョン・レノンという人の芯のような気もする。
わかりやすく美しい詞も曲も書いたろうが、
キャッチーな曲を作るだけでは
売れはしても歴史には残れない。

常人には想像もつかない世界が、彼の中にはあったのだろう。

そういう理解できない、文字通りの天才像としての
「しっくり」が、この本にはある。
逆に言えば、そういう感覚的なものしかない。
共感など1ミリも感じられない。
ぴくりとも泣けない。
なにかの意味を取ろうとして考えてもたぶん無駄である。
私も生涯、繰り返して何度も読むのはきっと難しい。

かといって、迷路に迷い込んだような、
酔ってしまったような気持ち悪さはないのが不思議である。
つまるところが天才なのだろう。