バターの本

グラフィック社
2019年9月25日初版第1刷発行 A5判・128頁 本体1,500円+税

















街に出て食事したりお茶をすれば、
砂糖や塩など調味料、胡椒や唐辛子などのスパイスは
当然として、ほとんどの食べ物には油脂が使われる。
バターもまた、料理にとって重要な一要素である。

日頃スーパーで買い物している限り、
あまり多くの種類に触れることがないので
実感が湧かなかったが、本書一冊だけでも
国内の100種類が紹介されている。

どれも特色があって美味しそうである。
パッケージも、洒落た雰囲気のものから
昔から変わっていない感じのものまで、
ちゃんと食欲をそそるようにできている。
バターの世界もまた、ちょっとした小宇宙である。

酪農・乳業の事業者さんの数は
北海道がいちばん多いだろうことは
想像に難くないが、それにしても
本書紹介の地域中小規模企業のうち、
半分近くが北海道の会社・製品なのは
やはり圧倒的であった。

そういえば昔、カルピスバターが流行ったとき、
あまり料理にも親しまなかった私は
カルピスの混ざった甘じょっぱいバターかと
勘違いしていた。
実際は、カルピスを作るときに余る乳脂肪分を使って
作られている。
想像したように甘じょっぱくはなかったが、美味しかった。
バターそれぞれ、作り方にも工夫があるのである。
巻末のバターQ&Aやバターの使い方などのコラムも、
バターをちょっとなめたくなってしまう。

本そのもののデザインも素敵なのだ。
幅の広い帯には綺麗に並んだ
さまざまなバターの写真が使われ、
見返しはバターの包み紙に使われる
アルミパーチ紙だと思われる。(もちろん未使用の紙)
凝っているし、バター愛を感じる本である。

ちなみに岩手からは、さすがの全国区・小岩井乳業さん、
岩泉・なかほら牧場さんと、寡聞にして存じ上げなかったが
宮古市田老・しあわせ乳業株式会社さんが
紹介されている。