ちいさなぬくもり 66のおはなし

森本俊司 文 / ディック・ブルーナ 絵
2021年6月15日初版第1刷発行 A6版・160頁並製 本体1,300円+税

















日本では「ミッフィー、うさこちゃん」として知られる
ナインチェ・プラウスは、2020年に生誕65年だった。
それを記念した展示が東京・立川で開催されている。

展覧会にあわせて作られたのが本書。
うさこちゃんの物語のダイジェスト、ではなくて、
ブルーナさんがうさこちゃんを描くときに
なにを思い、どう考えたか、行動したか、などの
トピックスが載っている。

ディック・ブルーナの名は日本では
絵本作家として広く認識されているが、
そのキャリアはデザイナーとして始まった。
素晴らしいデザイナーとしても、
私はブルーナさんを尊敬している。

製作裏話みたいなものはさして好まないが、
今回のこの本は、読みたいと思った。
以前書いたような、彼のつくったものから受け取る
愛情の深さのようなものの根源を、
伝聞でしかないとしても知りたかった。

ページをめくるごとに現れる可愛い絵が、
よく見れば緻密に計算されて完璧にデザインされている。
その理由がほとんど、それを読む子供たちに向けた
愛情だったことが、期待通りに書いてあった。

うさこちゃんを見ていて、ほっこりする、という
感想を一度も持ったことがない。
大嫌いな言葉だからではない。
あまりにも完璧なデザインであることが、
大きな大きなプレッシャーになって、
背筋を伸ばさざるを得ないからだ。